絵になる風景
2016年02月13日
倶利伽羅峠を越えていく道すがらの山々がいつも綺麗だなぁと思います。
その道で絵になるなと思うのがトンネルです。
木々が生い茂る山に大きな穴が開いている・・面白い構図だと思いますね。
トンネルを取り上げて作品に描いた作家を思い浮かべてみると
川端康成の雪国や宮崎駿の崖の上のポニョがあります。
雪国では「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」とありますし
崖の上のポニョでは世界が破綻から再生に向かう時にトンネルが登場します。
いずれもある世界が一度死に新しい世界が開けるということを描いている。
ここで思い起こすのが善光寺のお戒壇巡りですね。
これも暗闇の中をくぐり抜けることにより極楽浄土を約束された人間になるという
死と再生を意味するものだと思います。
縄文人は渓谷に死者を埋葬したそうです。そして死者が生まれ変わると信じた。
現代の中にそういった思想を見つけるのは難しいですが、
端的に毎日行っていることに同じものがあります。
それは「食べること」です。
生き物の死と命の再生が日々起きている。
富山から石川へと山々を越える時、
「山」に食われることでいい気分転換になっていると思います。